2021年度 統計学のレポートに関するQ&Aです。皆さんからいただいた感想やメールを元に適宜内容を追加しています。
1問追加しました(7/19)。
2問追加しました(7/5)。
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論文の探し方について
Q. 対象の論文をどのように探したらよいですか。
A. 英文ならPubmed、和文なら医中誌やJSTAGEなどがよいでしょう。
Q. どのように選んだらよいですか?
A. まずはご自身の興味にそって選んでみてください。その後、内容と自分の力量で判断しましょう。
検定の話もよくわかる → 検定が用いられている論文に挑戦
統計学には苦手意識が… → 簡単な統計が用いられている論文
Q. 簡単な統計とはどのようなものでしょうか。(7/19 追加)
一概に表現するのは難しいです。自分で「簡単な統計」という言葉を使っておきながらすみません。単純には講義で聴いたことがないような統計学用語が出てくる場合(ベイズ統計とか、Cox比例ハザードモデルとか、マルコフ連鎖モデルとか・・・)は避けたほうがよいと思います。これらはこれらで非常に大事なのですが、今回の講義の目標から考えるとかなり高度な分野です。あと、統計学的検定のところの話が良くわかった方は、t検定やFisherの直接確率検定(あるいはカイ2乗検定)が使われている論文を選ぶとよいと思います。「正直よくわからんかった・・・」という方は、値を示しただけで検定などは行っていない論文を選ぶとよいと思います。こういう論文を「記述統計主体の論文」と言います。これはこれで奥深い世界があるのですが、理解できなくて困る、ということは稀だと思います。
Q. 興味のある分野はあるのですが、論文がみつかりません(7/5 追加)
A. その分野の何について知りたいのかを考えてみてください。もしそれが思いつかないようでしたら、今回のレポートのテーマが「統計学的観点から批判する」ということなので、興味のある分野で統計学が用いられそうなテーマを考えてみてください。
Q. 論文とそうでない資料の違いがわかりません。
A. なかなか難しい面もありますが、次の点を参考に探してみてください。
・最初のページに「原著論文」「論文」などと書いてある。
・緒言(はじめに、背景、目的)、方法、結果、考察、結論 の章 立てになっている。
・8ページから20ページ程度(学術誌によって前後します)
レポートの内容について
Q. どのように書けばよいでしょうか。
A. まずは選んだ論文で用いられている統計学的手法についてまとめてみましょう。(検定は重要ですが、検定だけが統計学ではありません)次に、その中で論文の「ウリ」になっている箇所を探してみましょう。そして、その論文で用いられた統計学的手法の課題を考えてみましょう。可能であれば解決策も。
Q. 論文を批判する際に使用する場合には数式などを書く必要はありますか?
A. 数学的な観点で論文の良いところ、悪いところを論じるにはやはり数式が必要だと思います。しかし、数式がない=統計学のレポートして質が低い、というわけではありません。必要に応じて使い分けてください。
Q. ある程度長い論文の中の文章を引用する際に、文をそのまま書くか、何ページ何行目と書くかどちらの方がいいですか?(7/5追加)
A. (私の講義では)どちらでも構いません。ただ、前者の場合(そのまま書く)は、その分レポートの文字数を取ってしまうので、余りにも長い場合は、その分レポートの文字数を少し増やして構いません。そもそも厳密な文字数ではありませんので。後者の場合は、出典を明らかにした上で、どのような内容が書かれていたのかを簡潔にまとめる必要があります。いずれの場合も、読者が出典を確認できるように配慮することが大事です。
(最終更新 2021年7月19日)